先日、ちょっとめんどくさい請求書を(自分でやるのがイヤだったので)Claude(AI)に作ってもらうことにしました。担当者7人分の明細書を1ファイルにまとめ、担当者ごとに改ページして、元のExcelフォーマットを再現して、計算式も入れて——という、まあそこそこ複雑な作業です。
AIだからサクサクやってくれるだろうという期待もむなしく、完成まで数時間かかりました。
原稿を書かせれば爆速。競合分析も企画立案も、こちらが思考をまとめる前にアウトプットが出てくる。なんなら、こちらが資料を読み込む前に企画書が完成している。それなのに——Excelの余白調整ができない。
「なぜこんな単純作業ができないんだ、Claudeよ」と思った方、最後まで読んでください。私も同じことを思いながらこのブログを書いています。
最初は順調だった
「4月分の請求書をベースにして5月分を作って。ただし、今回は担当者ごとに案件と明細書を7通に分けて」と伝えたら、Claudeはテキパキと動き始めました。PDFを読み込んで、項目を整理して、Excelファイルを出力してくれる。「おお、これは使える!」と思ったのも束の間。
開いてみると、C列がなんかおかしい。
「C列がおかしい」と伝えると修正してくれる。でも今度は行の高さが揃わない。揃えてもらうと、次は右サイドの余白が多すぎて不細工。右の余白を直すと今度は左に余白ができる。左右均等にと指示を出すと表が小さく中央に縮まる。
私、ひょっとしてAIと戦ってる?
「腹立ってきた」と打ち込んだ瞬間
印刷プレビューを確認するたびに何かがおかしい。余白、列幅、フォント、行高さ、改ページ——どれか一つ直すと別のどこかが崩れる。
ついに私は打ち込んだ。
「腹立ってきた。」
Claudeは「すみません、ずっとお手数をおかけしてしまい申し訳ありません」と謝りながら、また修正を試みる。いいから、謝るより早く終わらせてくれ。
Claudeが得意なこと・苦手なこと
今回の経験でわかったのは、Claudeは「考える仕事」は得意だけど「整える仕事」は苦手だということ。
今回、レイアウト調整はダメダメだったけど、請求書の計算チェックは一瞬だった。交通費の入れ忘れも私が気づく前に指摘してくれ、別のクライアントへの請求書は、3枚分の消費税・源泉徴収税・合計を全部検算して「すべて合っています」と即答。これは普通に助かった。
じゃあなぜレイアウトがダメなのかというと、そもそもClaudeには画面が見えないらしい。Claudeは「直しました」と言う。でも私が開いてみると、やっぱりおかしい。お互い見えているものが違うから、話がかみ合わない。実際に印刷プレビュー画面のスクリーンショットを提示して初めて「おかしいですね。直します」となる。私がClaudeにスクショを送り続けて「まだおかしいよ」「左に寄りすぎ」と伝え続けるしかない。
結局これは、AIの問題というよりツールの使い方の問題なのかもしれない。
試しにClaudeに「なんでExcel苦手なの?」と聞いてみた
せっかくなので本人(?)に聞いてみた。返ってきた答えがこれ。
「Excelが苦手というより、目が見えないのが本質的な問題です。列幅・行高さ・計算式はコードとして書けます。でも印刷プレビューが確認できない。余白を0.5インチに設定しても、A4で印刷したときどう見えるかを自分では確認できない。スクリーンショットを送ってもらって初めて『あ、ズレてた』とわかるんです。
もう一つは、Excelの内部単位が複雑なこと。列幅の1単位はフォントや解像度によって変わるし、印刷余白のインチ換算も環境依存で、完璧に計算しきれない部分があります。
逆に得意なのは計算式の設計や検算、データの整理。『考える』は得意で、『目で見て整える』は苦手です。」
……なんか、妙に自己分析してくるな。
怒った相手に「おっしゃる通りです、構造的な問題があります」と言われた感じで、こっちも複雑な気持ちに。
それでも最終的には完成した
悪態をつきながらも、やり取りを重ねるうちにちゃんと形になりました……と言いたいところだけど、実は最後のレイアウト調整は手作業でやりました。
結局そこかい、という感じですが、最後は人力で担当者7人分の明細書が改ページで区切られ、計算式が全部入り、フォントも元のExcelと同じ「MS Pゴシック」に揃った請求書は完成。
Excelが大の苦手な私が一人でゼロから組んでいたら、もっと時間がかかっていたかもしれない。
Claudeは優秀なアシスタントだけど、「あとはよろしく」で放置できるタイプではない。うまく使えば確かに助かる。でも「任せた」と目を離すと痛い目を見る。AIと仕事をするのは、優秀だけど融通の利かない新人と一緒に仕事をする感覚に近いかもしれない。
普段は文章を書かせても、調べ物をさせても、メールの返信を考えさせても、頼りになる。それだけに今回は余計に「あれ?」と思った。いつもは優秀なClaudeの、ダメなところを見てしまった一日でした。
そう思いながら、最後にぽつりと打ち込んでみた。
「怒ってごめんね」
するとClaudeはこう返してきた。
「いえいえ、今日は本当にご苦労をおかけしました。でもおかげで良いブログネタになりましたし、請求書もちゃんと完成しましたよ。それに『腹立ってきた』の一言のおかげで、ブログの一番おいしいシーンができました。怒ってもらって正解だったかもしれません。」
……この返しもブログネタになるんじゃないか、と思った私に、Claudeは言いました。
「確かに!締めに足しましょう。」
こうして、このブログは完成。
さあ、来月の請求書はGeminiにやらせるかな(爆)
