ある住宅会社A社の社名でGoogle検索したところ、検索結果の上部に表示されたAI概要に、すでに展示が終了したモデルハウスが現役の展示場として紹介されていました。
お客様がそのまま読めば、見学予約をしようとして存在しない施設に問い合わせることになります。公式サイトには載っていない情報が、なぜAI概要に表示されているのか。参照元を調べていくと、AI概要時代のサイト管理における盲点が見えてきました。
「社名+評判」の調査中に気づいた
きっかけは、ある住宅会社A社の「社名+評判」検索の調査でした。この検索への備えについては別の記事で詳しく解説していますが、契約直前の見込み客が必ずといっていいほど行う重要な検索です。その調査の中で、AI概要に古い情報が表示されていることに気づいたのです。
公式サイトには載っていない情報が、なぜ表示されているのか。気になった私は参照元を調べてみることにしました。
AI概要の出典を調べる

GoogleのAI概要には、出典を確認できる機能があります。上記の画像の赤線や赤枠部分をクリックすると出典元のサイトが表示されます。今回のケースでは5件の参照元が表示されており、それぞれ手動で出典元のサイトを開いてひとつずつ内容を確認しました。
5件の内訳は、A社の公式サイト(会社概要ページ)が1件、外部メディアや比較サイトが4件でした。外部サイトの中には2018年公開のものも含まれており、当時のモデルハウスの情報がそのまま掲載されていました。8年前の情報が、今もAI概要の材料として参照されていることになります。
さらに調べると、公式サイト内にも問題が見つかりました。展示が終了し現在は存在しないはずのモデルハウスを案内するページが、URLとしては生きたままになっていたのです。サイトのナビゲーションからはたどり着けないため、「そのままにしておいても問題ない」と判断されていたのだと思われます。しかしGoogleのクローラーはナビゲーションを経由せず、URLを直接インデックスします。その結果、訪問者の目には触れないはずのページが、AI概要の参照元になっていました。
つまりAI概要は、外部の古い記事と、公式サイト内の非連結なページの両方を参照していたということです。Googleの視点では、どちらも「現在のA社について書かれた情報」として扱われます。
今回の教訓
今回のケースから見えてきたのは、「公式サイトの更新」と「AI概要が参照するコンテンツの中身」は、必ずしも連動しないということです。
AIが参照するのは公式サイトだけではありません。外部メディアの古い記事も、ナビゲーションから切り離されたままのページも、同じ重みで参照されます。公式サイト上で案内をやめても、Googleの視点では「A社について書かれた有効な情報」として扱われ続けます。
もう一つ見えてきたのは、外部サイトの情報は自社でコントロールできないという現実です。今回参照されていた2018年公開の外部記事は、A社が関与して作ったものではありません。しかしGoogleはその記事を、A社に関する有効な情報源として扱い続けていました。古い外部記事が存在する限り、その内容がAI概要に影響を与えるリスクは残ります。
そして公式サイト内の「更新漏れ」も見過ごせません。ナビゲーションから切り離されていても、URLが生きていればGoogleはインデックスします。担当者の意図に関係なく、古いページもAIの情報源になり得るのです。
Web担当者が今日からできること
今回の経験をもとに、AI概要の情報鮮度管理として実践できるアクションを整理します。
自社名でGoogle検索し、AI概要の出典を定期的に確認する
AI概要が表示されている場合、右上のメニューや各項目の末尾についている出典元から参照された情報を確認できます。どのサイトのどんな情報が引用されているかを把握することが、情報鮮度管理の出発点です。外部サイトが含まれている場合は、その内容が現在の自社情報と一致しているかを確認してください。
外部メディアに古い情報が残っている場合は修正を依頼する
過去に取材を受けた記事や、比較サイトに掲載されたプロフィール情報が古いままになっているケースは少なくありません。該当するメディアの運営者に連絡し、情報の更新または削除を依頼することを検討してください。対応してもらえるかどうかは相手次第ですが、放置するよりはリスクを下げられます。
公式サイト内の古いページを棚卸しする
終了したサービス、閉鎖した施設、過去のキャンペーンページなど、現在は案内していないにもかかわらずURLが生きたままのページがないかを確認してください。ナビゲーションから切り離されていても、Googleはインデックスしています。非公開化・削除・リダイレクトのいずれかで対処することをお勧めします。
まとめ
人の目には触れないようにしたつもりのページが、Googleには見えている。そこが今回の問題の核心です。外部メディアの古い記事も、ナビゲーションから切り離されたままの公式ページも、Googleの視点では同じ情報源だからです。
AI概要時代のサイト管理に求められるのは、公式サイトの更新にとどまらない、情報鮮度の総点検です。自社名でのAI概要の出典確認、外部メディアへの修正依頼、公式サイト内の古いページの棚卸し。これらを定期的に行うことが、AI概要に正しい情報を表示させるための現実的なアプローチになります。
