ゼロクリック時代に、コンテンツはどう変わるべきか——AI流入分析から見えた3つの実践的示唆

ゼロクリック時代のコンテンツ戦略を解説する記事のアイキャッチ画像。検索バーがAIのネットワークに変化していく様子を表現

iworks編集部 / 2026年6月


検索してもサイトに来ない。そんな現象が静かに広がっています。

国内最大級となる250万人規模のWeb行動ログデータを保有する株式会社ヴァリューズの推計によると、2025年9月時点でGoogle上の検索セッションのうち63.5%がゼロクリック、つまり検索はするがサイトには訪れないという結果が出ています(ヴァリューズ Dockpit調べ)。GoogleのAI Overviews(AIによる概要)が検索結果の上部で回答を完結させてしまうケースが増えており、この傾向はさらに加速すると見られています。

クライアントのコンテンツを支援するコンサル会社や代理店にとって、この変化は「SEOをどう再定義するか」という問いを突きつけています。


目次

AIに引用されれば終わり、ではない

生成AI経由の流入に着目した「ヴァリューズ×note共同調査」(2025年10月公開)は、この問いに対して一つの重要な視点を提供しています。

調査によれば、AIはサイトを「引用する(URLを出典として表示する)」ことと「言及する(回答文中で会社名やブランド名に触れる)」ことの両方を行いますが、これらは同じ現象ではありません。また、AIに引用されたとしても、ユーザーがそのリンクをクリックしてサイトに訪問するかどうかは、記事の内容によって大きく異なっています。

調査では、AIによる引用後にユーザーが実際に訪問しやすいサイトと、そうでないサイトに明確な差異があることが示されています。前者に共通するのは「そこにしかない一次情報や独自の視点」であり、後者は「AIの要約だけで内容が完結してしまう一般的な情報」でした。

つまり、「AIに引用される記事」と「AIに引用されてもなお読まれる記事」は、まったく別の設計が必要ということです。


3つの実践的示唆

同調査のデータから、コンテンツ支援の現場で活かせる示唆を3点整理します。

示唆1|SEO上位でなくても、AI経由で読まれる可能性がある

调査では、noteへのAI流入数と検索流入数の相関係数が0.2という低い値を示しました。つまり、検索エンジンでの上位表示とAI検索での引用には、それほど強い関連がないことが示唆されています。

これはコンテンツ戦略において見逃せない点です。SEOで上位を取れていないクライアントでも、記事の内容と構造次第でAI検索経由の流入を獲得できる可能性があります。逆にいえば、SEO対策だけを継続してもAI流入は自動的には増えない、ということでもあります。

示唆2|「独自情報」がAI引用後の訪問を生む

AIによる引用が多かった記事には、共通する特徴が見られました。書き手の経験や専門性に基づいた深掘りコンテンツであること、そして見出しや目次によって情報が構造化されていることです。

これはクライアントの担当者ヒアリングや現場データを活用した「一次情報型コンテンツ」の優位性を裏付けるものです。どこにでも書いてある一般論の記事は、AIが回答を完結させてしまいます。一方、クライアントにしか語れない施工実績・事例・現場の知見を盛り込んだ記事は、「詳しく知りたい」というユーザーの訪問を誘引します。

クライアントへの提案においても、「検索上位を取るためのSEO記事」から「AIに引用されても訪問されるコンテンツ資産」への転換を軸に据えることが、今後の差別化になるでしょう。

示唆3|過去記事も資産として機能し続ける

同調査では、AI経由で流入した記事のうち約4割が半年以上前に投稿されたものであることが確認されました。AIは最新情報だけでなく、普遍的な情報を求める傾向があります。

これは、クライアントが過去に公開した良質な記事をリライトして磨き直す施策が有効であることを示しています。新規記事の制作と並行して、既存コンテンツの棚卸しとリライトをセットで提案することが、費用対効果の観点からも説得力を持ちます。


iworksが考えるこれからのコンテンツ支援

上記の示唆をふまえ、iworksではクライアントへの記事制作において、AEO・GEO対策を意識したQ&A記事の設計と、クライアント固有の一次情報を盛り込む制作プロセスを組み合わせた支援を行っています。

「検索で見つかる」から「AIに引用され、訪問される」へ。このコンテンツ戦略の転換点に関心をお持ちのコンサル会社・代理店の方は、ぜひご相談ください。


参考資料 本記事の執筆にあたり、以下の調査を参照しています。

株式会社ヴァリューズ/note株式会社「ゼロクリック時代の新GEO・AI SEO AI経由の流入分析で解き明かす、要約後も人が訪れるコンテンツの条件とは?」(2025年10月公開)

※本記事で紹介したデータの引用元は株式会社ヴァリューズ/note株式会社です。調査の詳細については原典をご参照ください。

※本記事の内容はiworksの解釈・編集によるものであり、調査機関の公式見解ではありません。


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